まだ57歳。先週は同級生を見送って骨を拾いました
が自分の姿を投影してしまいました。
同じような年回りの人の訃報を聞くにつけ、不本意
ながらやりたき事を多く残し無念の内に人生を終える
間際の心境は如何なものでしょうか。
先月亡くなった金子哲雄さんは41歳。目先の損得話は
あまり好きではありませんでしたが、自身の死をネタに
してまでライフワークを貫く姿勢には畏れ入りました。
以前、辞世の言葉を集めた本を読んでいて表題の言葉
を吐いたという禅僧を見つけ、俄然興味が湧いて伝記
を読みました。
江戸時代後期の禅僧仙豪`梵和尚です。死ぬような修行
の後に悟りを開くも、俗世に身を置き八っあんや熊さん
達に愛された自然人です。
死のみぎわ、高僧と呼ばれる人たちの周りには弟子たち
が集まり辞世の言葉を書きとり、さすがに和尚・・・と
感心されるうちに看取られて逝くのが習わしの様になって
いたとのこと。博多の聖福寺という由緒ある禅寺で黒田の
殿様まで枕元で看取っていたそうです。
『和尚、お言葉を・・』の耳元の声に
『死にとうない・・』耳を疑った高弟が聞き間違いかと
再度『和尚、お言葉を・・』に
『ほんまに死にとうない・・・!』

布袋様と踊る子供の絵はユーモラスですが、九字も切る指は
経典を表すと云われますが、経典ばかり読んでいても真実は
そんなところには無いという事を絵で表しているそうです。
私はこんな人が大好きです。
小東 正洋