外回りのあちこちで立ち止まって見入ってしまいました。

昔はこんなにも愛着しただろうかと自問してしまいます。
先の希望や目標を語る時間よりも、過ぎし昔を振り返る
ことが少しずつ増えていることに気付きます。これが加齢
の証なのでしょうか。その節目節目に姿を変えず記憶を彩
っているアイテムのひとつがこのさくらです。
愛おしくさえなってきます。

きれいに整備された駅につながる公園の中道の景色です。

100年の無骨な大木に不釣り合いな程の繊細な花びらです。
そしていきなり太い幹を突き破っても咲きたいというこの
生命力には敬服です。
敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う山桜花 本居宣長
これしか浮かびません!さくらの醸し出す気高さ、はかなさ
潔さに日本人は人生を投影して、ひと時この下で浮世の憂さ
を慰めてもらい、ケツを叩いてもらっているのでしょう。
小東 正洋